「Bob Dylan」

She's No Good / Talkin' New York / In My Time of Dyin' / Man of Constant Sorrow /
Fixin' to Die / Pretty peggy-O / Highway 51 / Gospel Plow /Baby Let Me Follow You Down /
House of the Risin' Sun / Freight Train Blues / Song to Woody / See That My Grave Is Kept Clean

1962.3

これを初めて聴いたのは、tetsu からだった。
彼は僕の近くに住んでいた。tetsu はフォーク・シンガーだった。
僕と彼とは高校の時に緑の校庭で再会した。
ベビー　連れてってよ
ベビー　連れてってよ

Dylanの唄いまわしを拝借すると、こんな風になる。

僕は友達が弾き語りをするこの曲を聴いてとても気に入った。
まだDylanのこともあまりよく知らない頃だ。
僕は彼に尋ねる「Dylanは何て唄ってるんだい？」
彼は答えた「よく知らない」と
その時彼は歌詞カードのないレコードを聴いてコピー演奏していた。
しかたなく僕はその５枚組みのアルバムの１枚目だけをテープに録音した。
オリジナルのこのアルバムに出会うのはそれからかなり後の事となる。
この曲がDylanのオリジナル曲でない事は、それから知った。
出会いなんて、そんなものである。

フォーク・シンガーとしてのイメージが強いDylanだが
このアルバムではブルース色が強い。
特に「死」というテーマのトラディショナル・ソングを選曲している。
力強く演奏しているのがとても印象的だ。

ハックルベリーフィンのようなハンチング帽をかぶり
シープスキンのジャケットを着込んだ
左右反転して印刷されたアルバム・ジャケットの若々しいDylanから
どうしてこんな声が出るのだろうといつも不思議に思う。

Bob Dillon　から Bob Dylan に改名した若干２０歳のロバート・アレン・ジンママンは
大雪に見舞われたニューヨークの街に来て何を夢見ていたのだろう。
「 Talkin' New York 」を聴いていると、思わずニヤッとしてしまうのは僕だけだろうか・・・。

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