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『 Another Side からの手紙　＃８ 』

　僕はもう１５年程愛用しているサングラスがある。
それは「光を遮断する」という意味を込めて「Ray-Ban」と名づけられている。

　僕がまだ若かった頃、兄貴のように慕っていた先輩のサングラスを僕は壊してしまった。
ピックアップ・トラックのルーフに置かれたサングラスを知らずに僕は発車し、踏み潰してしまったんだ。
僕は申し訳なく思い、全く同じ物を購入し、謝りに行ったけれど受取ってもらえなかった。

　　「気持ちだけもらっとくよ
　　　せっかく買ったのならおまえが使えばいい
　　　きっとおまえも似合うようになるさ」

　１９９９年に、アメリカのボシュロム社は、レイバンの一切の権利をイタリアの
ルクソティカ社に売却してしまったらしい。おそらくもう僕のモデルも廃盤だろう。
僕は決してコレクターではないけれど、物にはとても愛着がわく方だ。
できることなら、大切なものはずっとずっといつまでも愛用していたいと思う。

　先日、自分の車のボンネットにレイバンを何気に置いた時、ふと懐かしい想い出がよみがえってきた。
もうあれから１５年にもなるのだ、彼に会えるのなら、色々話したいことが沢山残っている。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜July 2005　　Ｓ★ＭＯＴＯ〜