---

『 Another Side からの手紙　＃１１ 』

　 　「Ｇｅｂｕｒｔｓｔａｇ〜アンジェラとクラウス〜」舞台公演に寄せて

　ずいぶん昔のこと、僕は親しい友達に宛てて、一通の手紙を綴っていた。
その手紙はポストに投函されることも無く、ずっと僕の部屋の片隅で
たくさんの書類に埋もれ、眠ったままだった。

　こんにちは、元気に暮らしていますか？
　こうして君に手紙を書いていると、あの頃がとても懐かしく思えます｡
　その街を離れ数年がたちますが、みんなは元気でやっているのでしょうか？
　こちらはとても居心地が良く、僕のライフ・スタイルにはピッタリかも知れません。
　僕は相変わらず、気ままに生活しています｡
　ティーン・エイジという言葉の響きが、僕はとても好きです｡
　その国のルール、社会のルール、家庭のルール、教室のルール。
　全て一つでは終わらない、いつも僕ははみ出してしまう。
　つまらない大人にはなりたくない、その頃の気持ちがまだ残っています｡
　向かい風が吹いてきても、自分の気持ちに正直に、
　夢を夢のまま終わらせないためにもがんばってください。

　久しぶりに届いた彼女からの手紙と舞台公演の案内状を見て、僕はとても嬉しくなった。
僕の数少ない友達の一人が、ＴＶやラジオ、劇場で活躍しているのは光栄なことだ。
僕が届けられなかった手紙の様に、夢をずっと追い続けていてくれたんだ。

　僕は今、全てをスタートラインに戻し、ギアを入れなおしているところです｡
つまらない大人にならないためにも、できることから始めてみようと思います｡
これからも、夢の続きから始めてみようと思います｡

　いつか彼女の街を訪れることが出来たら、僕は劇場を訪ねてみようと思います｡
そして僕も、何か表現できる新しい居場所を見つけられたらいいな｡

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜December 2005　　Ｓ★ＭＯＴＯ〜