---

『 Another Side からの手紙　＃２５ 』

　僕のブラウザには、僕のハートにピンときたウェブ・サイトや
ウェブ・ログがたくさん登録されている。
有名なオフィシャル・サイトから小さな街の床屋さんのサイトまで、
それらはきっと出会った事はないけれど、何かの共通点があるのかも知れない。

　そんな中の一つに、旅する女性ライダーのサイトがある。
僕はもうずいぶん前、そう彼女がまだ小さなオートバイに乗っていた頃から、
時々訪問してはそのツーリング・レポートを楽しみにしていた。

　特に好きなのは彼女の撮るツーリング先での写真だ。
広角レンズで歪められた写真ではなく、変なアングルから狙われた写真でもなく、
等身大の目線で撮られた素直な写真が多い。
僕も同じ場所を訪問したら、きっと同じように立ち止ってカメラを構えるだろう、
そう思える景色や道がたくさん撮られている。
オートバイが主張する訳でもなく、綺麗な景色だけが際立つだけでもなく、
なんとなく自然の中に溶け込む様がとても美しい。

　以前知人に、僕と彼女の写真に共通点があると言われたことがあった。
オートバイの写真を撮るときに、オートバイはいつも前を向いていると言うのだ。
そう言えば僕は、オートバイを停車する際に、ほとんどハンドルをきらない。
意識をしたことはなかったけれど、何故か自然にそうなっていたようだ。

　僕は仕事が忙しくなりツーリングに出れない時は、いつも彼女のサイトを訪問する｡
眠る前のほんの僅かな時間に、そのツーリング・レポートを読んでいると、
なんだか自分が旅をしているような気持ちになれる｡
僕が行ったことのある場所はとても懐かしく思い、未訪問の場所はワクワクしながら。

　唐草模様が若葉と風になびく時、彼女は何処を旅しているのだろう？



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜June 2007　　Ｓ★ＭＯＴＯ〜