『 Another Side からの手紙 ＃２７ 』
今朝目覚めてレコーダーをチェックしていると、クリスマスの夜に録画された番組が残っていた。
小田和正がプロデュースする音楽番組に、僕の大好きな佐野元春がゲスト出演していた。
黒いキャスケット帽を深くかぶり、彼は演奏の前に、こんな言葉を残していた。
「ＳＯＭＥＤＡＹ いつかきっと、と想う心、それを唄にしました。
２０代には２０代のＳＯＭＥＤＡＹ、３０代には３０代、
そして４０代には、４０代にいつかきっとという気持ちがあると思います｡
そう思いながら、この曲をみんなで唄えるのを幸せに思います｡
いっしょに唄いましょう。」
この曲はもう何回口ずさんだことだろう。
部屋の片隅でレコードを聴きながら、窓辺にもたれギターを弾きながら、
街で人込みをすり抜けながら、大きなホールで観衆と一緒になりながら、
時には仕事で車を走らせながら。
街の唄が聴こえてきて
真夜中に恋を抱きしめた あの頃
踊り続けていた
夜のフラッシュライト浴びながら
時の流れも感じないまま
窓辺にもたれ
夢のひとつひとつを
消してゆくのは つらいけど
若すぎて何だか分からなかったことが
リアルに感じてしまうこの頃さ
Happiness & Rest
約束してくれた君
だからもう一度あきらめないで
まごころがつかめるその時まで
SOMEDAY
この胸に SOMEDAY
ちかうよ SOMEDAY
信じる心いつまでも SOMEDAY
「手おくれ」と言われても
口笛で答えていた あの頃
誰にも従わず
傷の手当もせず ただ
時の流れに身をゆだねて
いつかは誰でも
愛の謎が解けて
ひとりきりじゃいられなくなる
オー・ダーリン こんな気持ちに揺れてしまうのは
君のせいかもしれないんだぜ
Happiness & Rest
約束してくれた君
だからもう一度あきらめないで
まごころがつかめるその時まで
SOMEDAY
この胸に SOMEDAY
ちかうよ SOMEDAY
信じる心いつまでも SOMEDAY
いつかは誰でも
愛の謎が解けて
ひとりきりじゃいられなくなる
ステキなことはステキだと無邪気に
笑える心がスキさ
Happiness & Rest
約束してくれた君
だからもう一度あきらめないで
まごころがつかめるその時まで
SOMEDAY
この胸に SOMEDAY
ちかうよ SOMEDAY
信じる心いつまでも SOMEDAY
１０代の多感な頃、僕は大好きな人から彼を教えてもらい、この曲にも出会っていた。
その頃は、大人の言う事なんて信じられない、全てのルールからはみ出して、俺は俺、
無知な心を満たすために、毎日アンテナは空高く張りつめていたように思う。
季節が廻り、時が経ち、僕も少しだけ大人になった。社会に出て、偽善者に囲まれながら、
気が付くと愛想笑いをしている自分がそこに居た｡２０代、３０代と歳を重ねてゆく上で、
この曲に対する想いや感じ方が少しずつ変化していった。あの頃見えなかったことや、
不安で怯えていたことも、いくつもの新しい夜明けがいつもそれを教えてくれた。
ただ、夢や好奇心だけは僕のなかにずっと残っている、やさしさも忘れてはならない。
つまらない大人にはなりたくない。僕が今でもずっと心に思っていることだ。
彼も言っていたが、この曲は本当に大切なことを唄っている。
３０代残りわずかになった今、僕も本当に心からそう思えるようになった。
もしあの頃の多感な僕に逢えるとしたら、そのことをそっと伝えてみたい。
〜December 2007 Ｓ★ＭＯＴＯ〜