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『 Another Side からの手紙　＃２９ 』

　僕は昔から「ポリシーが強い」とよく言われたりする｡
ポリシーって何だろう？こだわりという事だろうか？

　僕は広く浅くと何にでも手を広げたり、新しいものをとっかえひっかえといった
事はあまり得意ではない。
確かに僕の部屋を見てみると、佐野元春とボブ・ディランのレコード盤ばかり。
同じジーンズが何本も積み重ねられ、良く似たウェスタン・シャツが並んでいる。
これがこだわりという事なのだろうか？

　好きな音楽を聴いたり、お気に入りのシャツを着ているのがこだわりなのだろうか？
目まぐるしく変化する流行の曲を聴いたり、トレンドのファッションに敏感でないからだろうか？
擦り切れたレコード盤や袖の擦れたシャツでも僕にとってはとても愛着があるのだが、
他の人にとってはただのガラクタや時代遅れの古いものになってしまうのかな。

　僕は新しいモノに買い換えたり、ライフ・スタイルを変えることを
とても苦手としているのかも知れない。
色んなモノにはいつも愛着がわいてしまうので、古くなってもそれをゴミ箱へ簡単に
入れてしまうことが出来ないことがよく見られる｡

　僕は興味の無いことには本当に無頓着なので、他の人の会話についていけない時がある。
僕は僕の好きな事を人に押しつけたり、比較したりはしないけれど、
僕の好きな事があまり理解されなかったり、それで飽きられたり、
人からは半ば変わり者扱いをされているのかも知れない。

　高校の卒業前に、同級生の女の子から一通の手紙をもらったことがあった。
色鉛筆で描かれたイルカに乗った少年の絵の上に、
　「○○君は、いつも○○君らしくこれからもいてください｡」
と書かれていた。
その時はその言葉の意味がよく解からなかったけれど、
もしかすると、彼女は僕のことをとてもよく理解していてくれたのかも知れない。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜June 2008　　Ｓ★ＭＯＴＯ〜