『 Another Side からの手紙 ＃３２ 』
年が明けた頃、僕はある知人と夜の街に出ている時に
「○○さんは頑固ですね」と言われてしまった。
その言葉は昔からよく言われたりしたけれど、やはり少しショックだった。
その昔、僕がまだ学生だった頃、後輩から言われたことがある｡
「○○さんは、どうして佐野元春とＢｏｂ Ｄｙｌａｎしか聴かないのですか？」
その時僕は「たまたまだよ」と答えておいた。
１０代初めの多感な頃、僕はあるラジオ番組のＤＪに夢中になっていた。
幸運にも僕は何度か彼女と手紙のやりとりをする事が出来た。
彼女はよく番組や誌面で佐野元春の事を口にしていた。
僕はどうしても佐野元春の曲を聴きたくなり、レコード店に足を運んでいた｡
すぐに僕も佐野元春のファンになった。僕にとてもよく似ていると思ったからだ。
彼の曲は僕の想いを代弁してくれているかの様だった。
ある時彼女から「Ｂｅａｔ Ｇｏｅｓ Ｏｎ」と書かれたカードが届いた。
僕はとても嬉しかった。僕の大好きな言葉だったからだ。
少しして、僕は実際に彼女に会う機会が出来た｡僕はとてもワクワクしていた。
帰り道、駅のホームで、僕は佐野元春のことばかり一方的に話していた様に思う。
でも彼女は嫌な顔一つせず、やさしく僕の話を聞いてくれていた。
佐野元春のラジオ番組や雑誌を聴いたり読んでいると、
Ｂｏｂ Ｄｙｌａｎと言うアーティストがよく出てきていた。
同じように、自然と僕はＢｏｂ Ｄｙｌａｎのファンになった。
不思議なことに、やはり考えが僕にとてもよく似ていると思ったからだ。
Ｂｏｂ Ｄｙｌａｎはビート･ジェネレーションと言う言葉をよく口にしていた。
この話は、また今度書くことにしよう・・・。
憧れの人の、憧れの、また憧れ。
音楽に関して言えば僕のルーツはそんな風だ。
その他にも、好きな服や、好きな車やオートバイ、ライフ・スタイルまで
僕にはどこかで憧れやたくさんの想い出が詰まっていたりする｡
一度好きになったものは、僕は簡単に飽きてしまうことは考えられない。
好きな事をただ今でも好きでいるだけなんだ。
いつまでもずっとそのままでいられたらとよく思うことがある｡
僕は僕の好きな事を人に強要したりはしないけど、やはりこだわりがあると
よく頑固だと言われてしまうことが多々ある｡
色んな場面で、知らず知らずの内にそう言う雰囲気を出しているのかも知れないね｡
でも、いつか誰かが僕の好きなことに共感して理解してくれたら、僕は嬉しいな｡
〜February 2009 Ｓ★ＭＯＴＯ〜