『 Another Side からの手紙 #35 』

 「Fixed Question・・・
あなたは人のために曲を書いているのか?
それとも自分のために曲を書いているのか?」


 ある番組でソングライターにこんな質問がなげかけられていた。
僕は10代の頃から色んな曲や詩に触れて、僕と同じ想いだったりすると、
とても嬉しくなったり、自分でも想いを文書に書き留めたいと思ったりしていた。

 僕が文章を綴っている時は、大抵は何かがアンテナに引っかかった時なんだけれど、
それはごく最近のことであったり、遠い昔の記憶のことであったりもする。
僕自身の言葉であったり、誰かの引用であったりと様々だ。
ただ僕は文章を書くことを商業とはしていないので、僕の言葉に税金はかからない。
僕は誰かに想いを届けようとか、誰かをねじ伏せようとか、誰かの代弁をしようとか、
そんなつもりで書いているのではなく、僕にとてもよく似た人が居るとしたら、
きっとこんな風に書くだろうなと思いながらキーボードをたたいている。

 「ぼくのことは歌ですべてわかるはずだ、
目の付けどころさえ間違っていなければ。
何曲かを合わせてはじめて意味がはっきりする歌もある。」


 過去にディランがこんな言葉を残していた。
僕達は言葉の断片から色々な想いを感じ取ろうとしているのだけれど、
結局は自分の都合の良いように解釈したりしてしまっている。
本当の意味は書き手にだけしかきっと解からないのかも知れない。

 少なくともここにある言葉達は、S★MOTOという僕にとてもよく似た隣人が
不特定多数の人に宛てた手紙に過ぎないのだから、
誰かの心に届くようなことなんてないんだろうね。



                    〜July 2009  S★MOTO〜