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『 Another Side からの手紙　＃３９ 』

　こんばんは、Ｓ★ＭＯＴＯです。今僕は眠い目をこすりながらこの手紙を書いています｡
押し寄せる睡魔に精一杯の反抗を試み、眠れる時間を計算しながら想いのままに綴っています｡
今や誰もが容易に携帯端末からオンタイムでつぶやいたり出来る時代に、こんなクラシカルな
手紙を読んでくれた事を本当に感謝します。

　今日僕は、久しぶりに敬愛する人から届いた手紙に目を通し、なぜか意味も無く無性にテキストを
綴ってみたくなりました。こんな気持ちになったのは本当に久しぶりのことなのです。
今まで途中まで書きかけていた手紙は何通かはあったのですが、ついさっき全てゴミ箱に捨ててしまいました｡
その時に想っていたことを綴りかけていたのですが、今日読み返すと僕にとってはもうすでに
つまらないものにしか見えなかったからです｡

　先日の事、僕は偶然知り合ったＲ＆Ｂ女性ボーカリストと夜のロック喫茶を訪れていました｡
１０人も入れば一杯になる小さなロック喫茶です｡以前知人に教えてもらってから僕はそのお店が
とても好きになりました｡ウィークデーということもあって、いつものロック・バンドの演奏は無く
沖縄の一五一会（一期一会ではなく一五一会。ギターと三線をチャンプルーした創作和楽器）を
奏でるミュージシャンが島唄調のリズムを弾き語りしていました。

　僕と彼女はしばらくその演奏に酔いしれていました｡夜も更けてステージが終わると
マスターとステージを終えたミュージシャンと色々と語り合うことが出来ました｡
マスターは５０歳で脱サラをしプロのミュージシャンになったことや、今日のステージミュージシャンは
１０年間のブランクを経てまた音楽活動を再開したことや。。。
誰もがとんとん拍子で階段を駆け上がってきたのではなく、何度も転がりながら這い上がってきているのです｡

　僕は久しぶりに笑顔があふれてきました｡みんな本当に好きなことは変わらず続けているんだ。
いつかきっと、という想いを抱き続けているんだ。あきらめてしまった時点で夢は終わるのです｡
あわてることはないんだ。後悔なんかしたくない、つまらない大人になんかなりたくない。
たとえ時の流れに置いてけぼりにされても、自分の信じる道を進んで行けばいいんだ。

　いつかきっと誰かが理解してくれるその日まで、僕は相変わらず僕のやりたい事や好きな事を
こつこつと続けて行きたいと想います｡
１０年経った僕が後悔しないためにも。
１０年経ったこの手紙を読んでくれた君ががっかりしないためにもね｡



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜October 2010　　Ｓ★ＭＯＴＯ〜